複合機（コピー機）のスキャン機能でも基本問題なし

スキャンをする場合、現在複合機（コピー機）のスキャン機能も非常に高性能になっており、基本的に複合機（コピー機）のスキャン機能でも全く問題はありません。
しかし、大量にスキャンしたい場合や、画像の画質にこだわりたい場合などはスキャナーの使用を選んだほうが良い場合もあります。

ドキュメントスキャナーと複合機（コピー機）の比較

例として、CanonのドキュメントスキャナーDR-X10Cと、複合機（コピー機）imageRUNNER ADVANCE DX C5860Fを比較してみたいと思います。

参考元・画像引用元：
iR-ADV C5800シリーズ｜仕様（本体）｜キヤノン
DR-X10C｜概要｜ドキュメントスキャナー｜キヤノン

スピード

A4の用紙を横にした場合、原稿読取速度はそれぞれ以下になります。

枚数だけを比べると、ほとんどの項目で複合機（コピー機）である DX C5860Fの方がより速いという結果になりました。

ただし、原稿を置くトレイに載る量は、DX C5860FのADF(自動読み取り装置)が約250枚なのに対し、DR-X10Cは約500枚と倍になります。さらに、DR-X10Cは原稿が異なるサイズが混在している場合でも一緒にセットできるため、原稿の入れ替えの手間を考えるとDR-X10Cの方が早くなる場面もありそうです。

画像処理性能

DX C5860F、DR-X10Cのどちらにもあるのが、「重送検知」「裏写り除去」です。
原稿が傾いた場合にDX C5860Fは搬送を停止しますが、DR-X10Cは自動で傾きを補正します。

原稿や読み取り面をキレイに保つ機能もそれぞれあります。
DX C5860Fはゴミがセンサーに付着した場合に高精度に検知しデータを補正してスジなどができないようにします。
DR-X10Cはホコリ・粉じんなどを排除するために風を送るブロワー、センサーに付着しないためにブラシ状のワイパー、それでも紙の粉などがある場合にはそれがない位置までセンサーが移動する紙粉回避機能機能がついています。

DR-X10Cはさらに、文字の向きを認識して文字に合わせて画像も回転させる機能や、モアレ除去、一回のスキャンで二種類のデータ(OCR処理画像とグレー画像など)を作成する機能もあります。
(OCR機能については『スキャンした文字も文章データに！複合機（コピー機）のOCR機能とは！』の記事をご覧下さい)

画像処理性能で比較すると、DR-X10Cの方が様々な機能を備えており、優れていることがわかります。

価格

DR-X10Cの本体価格は、Canonのサイトを見ると1,880,000円（税別）となっています。
DX C5860Fの本体価格は、2,700,000円（税別）です。

DR-X10Cだけだと、プリントや、FAX機能を使うことができません。別にそれらが必要な場合、例えば、レーザービームプリンターLBP853Ciが318,000円（税別）、FAXのL250が198,000円（税別）かかります。これら全てを合わせると、2,396,000（税別）です。

若干、複合機（コピー機）よりもドキュメントスキャナ―、プリンター、FAXを購入する方が安くなりました。
しかし、複合機（コピー機）なら一台ですむところを3つの機器を導入しているため、置く場所の確保やデータのやりとりの手間、消費電力や保守費用、万が一の修理費用などを考えると、コスト全体として見た時に明らかな差があるとは言い難いのではないかと思います。

業務内容に応じた機器の導入を

ドキュメントスキャナーを導入するメリットは、大量のスキャンを一度に行う時に手間が少なくスピーディであることと、画像処理性能が高くスキャンしたデータがキレイ、かつ使いやすくなることです。

対して複合機（コピー機）のメリットは、一台で様々な機能を備えているため、場所の確保がしやすいことや複数の機能の連携が必要な業務の効率化などがあげられます。

どちらのメリットの方が大きいかは、スキャナー、スキャン機能に何を求めるのかという業務内容によります。