A3複合機の選び方!家庭用?ビジネス用?
インクジェット複合機かレーザー複合機かを選ぶ
複合機のプリント機能には、大きく分けてインクの種類・印刷方法が二つあります。
それがインクジェット方式か、レーザー方式かです。
それぞれ大きな違いがあり、まずはどちらの方式にするかを選ぶ必要があります。
機種やメーカーによっての違いもありますが、大まかな違いをご紹介します。
インクジェット方式
粒状にしたインクを紙に直接吹き付けて印刷するのがインクジェット方式です。
家庭用ではインクジェット方式の方が主流になっています。
メリット
- 写真など高画質の印刷が得意
しかし、液体ですので用紙の種類やインクの量によっては滲みやすく、印刷後は湿っている場合があります。 - 本体価格が安い
インクジェット方式の方がレーザー方式のものより本体価格は安いことがほとんどです。しかも、その価格は大きく違い、インクジェット複合機は大体3万円から、レーザー複合機は少なくとも30万円位から、高いと200万円を超えるような値段帯になります - インク一つ一つの値段が安い
インクジェットプリンター用のインクカートリッジは、1つ1つの値段がトナーよりも安いのもメリットです。 - 待機電力・消費電力が少ないものが多い
- 小型なものが多い
デメリット
- 印刷スピードが遅い
インクジェットプリンターの方が、印刷に時間がかかります。また、メリットにも記載してあるように、用紙とインクによっては滲みが出たり、乾くのに時間が必要な場合もあります。 - インクカートリッジの容量が少ない
インクカートリッジの容量が少なく、印刷回数が多い場合は頻繁に交換する必要があります。大量印刷する場合は、トナーより割高になってきます。 - 耐久性が低い物が多い
レーザー方式の複合機に比べて、想定されている耐久枚数が少ないものが多いです。
故障した場合の修理や部品交換にかかる費用は比較的安いですが、本体そのものの耐久性にも限界がある為、レーザープリンターより早く買い替えの時期が来ることがほとんどです。
レーザー方式
トナーと呼ばれる粉上にしたインクを静電気、レーザー光を使って紙に付着させ、熱で定着させるのがレーザー方式です。
ビジネス用ではレーザー方式が主流になっています。
印刷方法の詳しい過程は「複合機のドラムとは?」、トナーについて詳しくは「複合機のトナーとは?」をご覧ください。
メリット
- 印刷が早く、印刷物の耐久性も高い
熱を使って定着させるため、印刷が早く、さらに滲みにくく、印刷物の耐久性も高くなります。 - 大量印刷する場合一枚ずつの印刷コストが安い
本体価格もトナー代、消費電力などもレーザー方式の方が高いのですが、それぞれ耐久性が高いことやトナーの容量が多いことなどから、大量印刷する場合には一枚ずつのコストがレーザー方式の方が安くなります。 - 多機能なものが多い
レーザー方式・ビジネス用の方が使える用紙の種類が多かったり、FAX機能、クラウドとの連携機能など多機能なものが多いです。 - トナー交換の頻度が少ない
- 耐久性の高いものが多い
デメリット
- 本体価格が高い
- 待機電力・消費電力が多い
- 本体の大きさが大きい
インクジェット方式・レーザー方式の比較まとめ
インクジェット方式とレーザー方式の比較をまとめました。
また、参考としてとても分かりやすいデータがあったのでEPSONのビジネスインクジェットプリンター「PX-S6010」とページプリンター(レーザープリンター)「LP-S9070」のデータも記載いたします。
メーカーや機種によっても違いますのであくまで参考値としてお考え下さい。
EPSON比較参考元:一覧から選ぶ 仕様比較/コストシミュレーション:EPSON
インクジェット方式 | レーザー方式 | ビジネスインクジェットプリンター
「PX-S6010」 |
ページプリンター
「LP-S9070」 |
|
---|---|---|---|---|
本体価格 | 安い | 高い | 38,500円
(エプソン公式ショップ販売価格) |
219,978円
(エプソン公式ショップ販売価格) |
解像度 | 高い | 低い | 最高:4,800×2,400dpi | 600×600dpi、1,200×1,200dpi
(スクリーン処理により1,200×2,400dpi相当) |
印刷スピード | 遅い | 早い | カラー:約22枚/分
モノクロ:約32枚/分 |
カラー・モノクロ共に35枚/分 |
ランニングコスト*1 | 安い
(大量印刷する場合は高い) |
高い
(大量印刷する場合は安い) |
カラー約9.4円
モノクロ約2.9円 |
カラー11.8円
モノクロ約3.0円 |
TEC値*2
(消費電力の目安) |
少ない | 多い | 0.12kWh | 0.74kWh |
耐久性 | 高い | 低い | 耐久枚数:15万ページ | 耐久枚数:150万ページ |
大きさ | 小さいものが多い | 大きいものが多い | 使用時:515×887×447(mm)
収納時:515×400×298(mm) |
使用時:640×662×407(mm)
収納時:640×662×407(mm) |
その他メリット | ・写真など高画質の印刷が得意 | ・印刷物の耐久性も高い
・多機能なものが多い ・トナーカートリッジの交換頻度が低い |
||
その他デメリット | ・用紙とインクによっては滲む場合がある
・インクカートリッジの容量が少ない(交換頻度が高い) |
*1 EPSONの基準としている算出方法による。詳しくは参考元ページをご覧ください
*2 TEC値については「複合機選びにTEC値という視点を!」をご覧ください。
家庭用か業務用かを選ぶ
家庭用はインクジェットプリンター、業務用はレーザープリンターが主流となっていますが、ビジネス用インクジェットプリンターもあります。
家庭用か業務用化の大きな違いは、家電量販店で買うか、専門の販売店で買うかと保守対応の違い、リース契約ができるかどうか等です。
家電量販店で買う家庭用プリンターの場合、支払方法は購入は現金やクレジット、保守対応は1~3年の保証のメーカー対応となり、壊れた際にはメーカーに送っての修理になります。
販売店で買う業務用プリンターの場合、リース契約、保守サービスの契約を行うことができます。リース契約では初期費用を抑えることができます。保守サービスでは保守対応専門のスタッフが故障時やトナー交換などオフィスまで対応しに来てくれるため、複合機の故障時の被害も最小限にとどめることができます。
家電量販店とビジネス向けの複合機の違いについては「家電量販店で売っている複合機と、ビジネス向けの複合機はどう違う?」で、リース契約については「複合機・コピー機のリースとレンタルの違いは?それぞれのメリット・デメリットもご紹介!」でも詳しくご説明していますのでご覧ください。
その他の選ぶポイント
印刷可能サイズがA3か、A3ノビまでか
A3印刷と言っても、A3サイズが可能なタイプと、A3ノビまでの印刷が可能なタイプがあります。
A3ノビとは、A3用紙のサイズにさらに余白をつけて印刷できるサイズのことを言います。
B0の説明画像にはなってしまいますが、以下をご覧ください。
B0サイズが印刷可能と言われた場合、複合機にセットできる用紙サイズはB0の用紙(内側の青い線の大きさ)です。しかし、この場合でフチ有印刷をしてしまうと、実際印刷できる範囲はB0より小さくなってしまいます。
B0ノビサイズが印刷可能な場合、ふち有印刷をした時に印刷できる範囲がB0用紙の大きさになるよう、セットできるのはB0に余白部分を足した大きさ(黒い太線の大きさ)の用紙となります。
これがノビです。
A3プリンターと言っても、このノビがあるかないかで、印刷できる範囲が変わってきてしまいます。
自社に必要な印刷サイズはA3なのか、A3ノビなのか考え、適したサイズを導入しましょう。
本体の大きさ
大事なポイントとして、本体の大きさもあります。
比較まとめにあるように、家庭用インクジェットプリンタの方が小さく、ビジネス用のレーザープリンターの方が大きいのが一般的です。
プリンターの設置場所はどこにするのか、業務の効率や動線、机上や棚の中なのか、それとも床に平置きなのかを考え、設置に適したサイズのものを購入する必要があります。
選ぶポイントはA3で何を・月に何枚印刷したいのかが重要
インクジェット方式かレーザー方式か、業務用かビジネス用かなど違いをたくさんご紹介しましたが、一番大事なことは、自社の業務において、A3プリンタで何を印刷したいのか、月に何枚印刷したいのかが重要なポイントになります。
オフィス電話本舗 | 2021.12.13 17:11
ビジネス用のレーザー複合機を導入している方は、ほとんどの場合A3印刷が可能です。
そのため、今回「A3用紙に印刷できる複合機を導入するかどうか」をお悩みな方は、家庭用か、ビジネス用かという点もお悩みの方が多いのではないでしょうか?
そんな方に向けて、家庭用とビジネス用の違いについても解説いたします。